会長の時間
「ああ、勘違い」という場面は皆さんも幾度となく経験されたと思いますが、今日は文部科学省認定作品でありながら、猥語が頻出(70数回)することを理由にR15+指定を受けた、珍しい映画の一コマを紹介したいと思います。
その映画は「寝ずの番」という映画で、実在の六代目笑福亭松鶴をモデルにしたとされるこの映画は、主人公に落語家・橋太(中井貴一)の師匠役・長門勇は手術の甲斐もなく余命幾ばくもないと宣告されたばかりの場面は病室。松鶴の息子と共に4人の弟子たちも全員集まっています。衰弱しきった師匠に一番弟子の橋次(笹野高史)が師匠のベッドにすりより、思い残した事が無いか尋ねると「ソソが見たい」(ソソは京都弁で女性のアソコを指すそうです)と言われ、それを皆に伝えると慌てふためく弟子たち。死ぬ前にもう一度と云う師匠の願いを叶えるため、誰にお願いするか?とすったもんだの末に橋太の妻・茂子(木村佳乃)に白羽の矢が立ち橋太は妻を説得する為に急ぎ自宅に戻りました。
数時間後、大役を渋々了解した木村佳乃が覚悟を決めて、病室に入りベッドに寝る師匠の顔の上でスカートをめくり上げたのです。スカートをめくり上げる時の木村佳乃の表情も可愛いらしいんですが、ベッドの脇にいる師匠の松鶴の妻役の冨司純子さんの「なんで私のじゃダメなの?」って表情もまた最高です。
これで師匠も満足、往生できると思い弟子皆で喜んでいると、松鶴が弱弱しく一番弟子の橋次を枕元に呼び寄せ、師匠が最後の力を振り絞り一言。「ばかやろう!最後に見たいといったのはソソじゃねえよ!窓のソトが見たいと言ったんだ。」と寂しくも有り、楽しくも有りの師匠の最後でした。まさにお笑いの方の一生の締めくくりとしては、あまりにも心に残る終のストーリーだと思います。
その後は松鶴の通夜、一番弟子、松鶴の妻の通夜と奇想天外の通夜が繰り広げられる楽しい映画です。
機会があったら是非お勧めの映画「寝ずの番」です。
卓話
国際ロータリー第2740地区 職業奉仕委員長 矢野 京子 様