会長の時間
「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」
人の死に際の大切さをうたったご存知、細川ガラシャの辞世の句です。
キリスト教で自害が許されぬガラシャは、自分の屍が決して辱めを受けない為に、下男に命じ家に火をつけ命を落としました。
武士の切腹もそうですが、忠臣蔵、白虎隊、神風特攻隊をはじめ潔いとする死に様を日本人は長く受け伝えてきました。
先週、真田広之の「SHOGUN将軍」がエミー賞を史上最多の18部門で見事獲得致しましたが、約20年前のラストサムライという映画を皆さんご覧になられたでしょうか?
主人公ネイサンことトム・クルーズと渡辺謙演じる勝本が織りなす、幕末・維新を舞台とした日本の武士とアメリカの騎兵隊出身の2人を始めとする友情の物語です。
そもそも敵の2人。戦を通じ心を通じ合うようになった2名は味方となり明治政府軍に戦いを挑みますが残念ながら敗れ去ります。
大将勝本は戦場で自刃、ラストサムライは敗れ去り、ここに侍文化は幕を閉じました。
その後、明治天皇に拝謁を許されたネイサンに対し、戦場で切腹して侍としての意地とプライドを貫き通したラストサムライ・勝本の最期を明治天皇が彼に尋ねます。
「教えてくれ、勝本の死に様を……」その問いにネイサンはこう答えました。「教えましょう、彼の生き様を」
日本人の「死に様」の美学と欧米人の「生き様」の美学。この一場面に日本と欧米の生と死に対してそれぞれの文化が垣間見えた一場面と思い、深く感じ入ることが出来ました。
さて日本では、古(いにしえ)より動物の数え方で牛と豚は1頭2頭。鳥は1羽2羽。魚は1尾2尾。何でこういう呼び方をするのでしょうか。それは死んだときに残る部位のことという説があります。
それでは人の数え方はどうでしょうか。1名2名と呼びます。
そう、歴史にもよく出てきますが、その昔から日本人は死して名を残す、名誉を重んじる文化があったのでしょうね。
生き様と死に様、どちらも大切ですが、皆さんはどう考えられますか?
・ゲスト 諫早市消費生活センター 所長 中村 敏弘様
卓話
諫早市消費生活センター 所長 中村 敏弘 様